空の道だけ速くても、荷積みで詰まったらいけんのよ。
輸送単位から逆算する
本章は導入設計の提案じゃ。収穫箱、苗、肥料、道具では重さだけでなく形、重心、破損許容、衛生条件が違う。人が歩く往復を減らすのか、道路の迂回を減らすのかを決め、空路に適した区間を切り出す。
往復と荷役で処理量を測る
評価単位をkg/飛行からkg/作業時間へ変える。積込、確認、往路、荷下ろし、復路、充電待ちを全部入れる。帰りが空荷でも時間と電力はかかる。現地で受け取れる担当者がいない時間帯は、機体の追加では改善しない。
品質と引き渡しの記録
発送者と受取者、品目、箱数、重量、時刻、受取確認を結ぶ。落下や荷崩れ、荷姿変更、天候待機は別のイベントとして残す。生鮮品は温度や打撲の許容を荷主と合意する。運搬可否、吊下げ、目視外飛行などの条件は国別に確認する。
運べた実証と、続けられるサービスを分ける
農林水産省が紹介する当別町の2020年実証は、集荷場の混雑と積み降ろし負担を出発点にしとる。資料では技術と費用の検証を今後の課題としている。飛行できた事実だけで、定期サービスの採算や、その後の商用化まで証明したことにはならん。
受取側の能力を先に測る
ここからは物流設計の提案じゃ。荷積み、受け取り、箱の整理、計量、受領入力の各工程を時間で測り、飛行経路とは別に能力を置く。架空の例で受取工程が一箱に5分かかり、担当者が一人なら、休止なしでも上限は毎時12箱じゃ。そこへ機体を足しても受取能力は増えん。これは算数上の上限で、実際には確認や休憩、天候待ちなどを含めて見直す。収穫が集中する時刻を聞き、平均量でなく一番混む時間帯の到着を並べる。受取可能の確認を出発条件に組み込むが、通信が来ないことを空きスペースがある証拠にしてはいけん。
品質の検収は、引渡し前後を対にする
生鮮品では、出発前から傷んでいたものと輸送中の損傷を区別できる記録を勧める。箱ID、内容、梱包状態、出発時の外観、到着時の確認結果を結び、荷主が必要とする場合は温度履歴も保持する。許容する傷や温度の条件は品目と荷主の基準で決め、どの作物にも同じ数値を当てはめない。抜き取り検査なら対象箱を事前の方法で選び、都合のよい箱だけ見ない。受領した数量と、販売可能として受け入れた数量を分けると、運べた重量が多いのに売れる収穫物が減る反例も把握できる。判定保留の箱を通常出荷へ自動で流さんようにするんじゃ。
| 引渡し項目 | 記録例の形式 |
|---|---|
| 荷物の同一性 | 箱ID/品目/数量/送り主 |
| 状態 | 出発確認/到着確認/保留理由 |
| 責任の移動 | 受取担当/確認時刻/承認状態 |
空箱の帰りと、運休の日も設計する
帰り便に空箱や道具を載せれば必ず得、とは決めつけん。積み替え時間、荷姿変更、衛生上の区分、受取担当者を含めて便ごとに判断する提案じゃ。収穫物と資材を扱う設備は、汚染を持ち込まない荷役・清掃の手順も必要になる。運休時には、どの荷物を待たせ、どれを陸送へ切り替えるかを鮮度と納品約束から決める。代替車両の呼出費や待機した人の時間も一日の費用へ入れる。配送状況は「飛行終了」ではなく「受領確認」「品質確認」「未解決」を分け、航空機のログだけで荷主への完了通知を出さない設計にするんじゃ。